当院では 院内処方(クリニック内でお薬の受け渡し)が可能です!
院内処方ってなぁに?
診察を受けた医療機関内でそのまま薬を受け取るものが院内処方、処方箋を持って調剤薬局に行って薬を受け取るものが院外処方です。
メリット
- 便利
まず調剤薬局に行く手間がありません。体調の悪い方、子連れの患者様、足の悪い方、高齢者の方は一度病院を出て、他の薬局に行く負担を減らします。 - 安価
細かくは下で紹介しておりますが、患者様の自己負担額が小さくなります。 - 薬の日数や変更がクリニック内で同時にできます。
デメリット
- 他の医療機関で発行された処方箋を持参して、当院でお薬を出すことはできません。
- 特殊な薬や在庫がない場合は、当院でも院外処方箋を渡すこともあります。
- 院内処方と院外処方は同一日に発行できません。
- 複数の医療機関で薬の処方がある場合は、かかりつけ薬局で飲み合わせなど安全性を確認した方がよいこともある。
- 当院では近くの院外処方の調剤薬局とも連携をしていますので、ご不明な点はいつでも尋ねてください。
患者様の負担額の違い
院外処方では、
医療機関では、診察料などとは別に処方箋料(病院で医師が、処方せんを発行するときにかかる費用)を含めた医療費を支払います。さらに調剤薬局で調剤料・薬剤料・調剤技術基本料・薬剤服用歴管理指導料などを払います。
院内処方では、
処方料(医師が処方する)と調剤料・薬剤料・薬剤情報提供料を払います。
実際の例
以下は、初・再診料などの診察料は除きます。
① 患者さんが、高血圧と脂質異常症で飲み薬(内服薬)30日分と腰痛で湿布(外用剤)をもらう場合
院内処方 |
院外処方 |
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医療機関 |
調剤料(内服2種類+外用1種類):190円 処方料:420円 特定疾患処方管理加算:660円 薬剤情報提供料:100円 手帳記載加算:30円 |
医療機関 + 調剤薬局 |
<医療機関> 処方箋料:680円※ 特定疾患処方管理加算:660円 <調剤薬局> 調剤料(内服2種類+外用1種類):1640円※ 調剤基本技術料:420円※ 薬剤服用歴管理指導料:430円※ |
処方料合計 | 1400円+薬剤料 |
3830円+薬剤料 |
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実際に支払う金額 | 1割負担 140円+薬剤料 3割負担 420円+薬剤料 |
1割負担 383円+薬剤料 3割負担 1149円+薬剤料 |
➁ 患者さんが風邪で飲み薬2種類(内服薬)を5日分+解熱鎮痛剤1種類(頓服、内服薬)をもらう場合
院内処方 |
院外処方 |
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---|---|---|---|
医療機関 |
調剤料:110円 処方料:420円 薬剤情報提供料:100円 手帳記載加算:30円 |
医療機関 + 調剤薬局 |
<医療機関> 処方箋料:680円※ <調剤薬局> 調剤料(内服):560円※ 調剤料(頓服):210円 調剤基本技術料:420円※ 薬剤服用歴管理指導料:430円※ |
処方料合計 | 660円+薬剤料 |
2300円+薬剤料 |
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実際に支払う金額 |
1割負担:66円+薬剤料 3割負担:198円+薬剤料 |
1割負担:230円+薬剤料 3割負担:690円+薬剤料 |
※上記金額は、基礎疾患の有無や処方日数、薬局の規模、後発品採用割合などにより変わります。2021年11月時点の金額です。
院内調剤では種類・日数に関係なく内服薬は1処方に付き110円(何種類あっても変わりません)、外用薬も種類・混合にかかわらず一律80円の調剤料です。
このほか院外処方の場合、ジェネリック医薬品(後発医薬品)を沢山採用されている薬局では毎回別途加算が徴収されます。
高血圧など慢性疾患でたまに湿布や外用薬を処方してもらう方の場合は、5倍もの金額の差が出ることもあります。これを1年で計算すると結構大きな額になります。
他にも、感冒や普段使いの薬であれば院内処方で、抗がん剤や特殊な点滴などは院外処方でといった形もとることができます。
患者様の院内処方へのご理解をよろしくお願いいたします。
- 院内処方のメリットは上の通りですが、反面待ち時間が長い、薬の種類が少ない、などがあります。また、他院様で出されたお薬との重複や併用による相互作用などを避けるため、お薬手帳は、必ずスタッフにお見せください。また持病やアレルギーについても問診で詳しくお教えください。
- 複数の医院で処方を受けている方は、各医院の処方箋をまとめ、ひとつのかかりつけ薬局で薬を受け取るようにしてください。そうでないと副作用のチェック等がうまくいかないばかりでなく、それぞれの薬局で薬を受け取る度に上記のような費用を請求されることになり、経済的に大きな損失を被ることになります。
当院での院内処方に対する考え
当院では開院にあたり、院内処方にするか院外処方にするかとても悩みました。 院内処方の方が、医療機関にとっては、「処方や薬の取り扱いや管理について大変なことが多いこと」「採算性はほぼないこと」などがデメリットとして挙げられます。
昔は薬の価格の差で利益を得るのではと言われた時代もありましたが、今は薬価差益(売る薬の価格と薬の購入価格で利益を得ること)がほとんどないので、利益のために院内処方を採用している医療機関はないと言っても過言ではないでしょう。日本では今や8割近くが院外処方となっています。政府がすすめてきた「医薬分業」のため院外処方が増えましたが、医療費の点などから今は見直されてきています。
「患者様にとって何が一番よいことか」を考えた場合に、当院では院内処方が最優先となり、今回開院にあたり、院内薬局を設置することに至りました。
そのために待ち時間や、どうしても種類がない薬は院外処方や後日お渡しになることをご理解いただき、院内処方を継続していくために患者様のご協力をお願いできれば幸いです。